リハビリテーションの歴史とICF

 

1 リハビリテーションの歴史

リハビリテーションの語源はラテン語で、「Re」は再び、

「habilis」は人間らしく生きる、再びできるようになるという意味です。

その後、長い歴史の中で使用法が変化し、権利の回復、名誉の回復など

様々な意味に使われてきました。

現在、我々が使用している障害者に対する、機能回復、能力向上、社会復帰という

意味に使われるようになったのは、障害者が多発した戦争を契機とし、

第一次世界大戦から第二次世界大戦後に広く定着しました。

千野直一先生の「現代 リハビリテーション医学」から
リハビリテーション医学の歴史についてまとめてみました。

リハビリテーション医学の定義
リハビリテーション医学とは、物理医学とリハビリテーションという一見全く異なるように見える2つの医学分野が統合されたものである。

物理医学とは、古来より医療の中で用いられてきた、運動療法、電気、温熱、光線、装具療法等を用いて、運動機能障害の患者の治療、診断等に用いられてきた。

リハビリテーションとは、患者を身体、心理、社会職業的に最大レベルまで到達させることである。

リハビリテーション医学は種々の疾患によって生じた運動系の障害を物理医学的手段により、診断と治療を施し患者に生きがいある社会的生活を送れるように援助する専門医学分野である。としています。

リハビリテーション医学は1947年米国専門医制度が発足が一つの出発点となり、リハビリ医学が米国において、独立した専門領域、内科、外科、小児科などの医学分野と同じように認められたそうです。
米国での専門医制度の正式名称は、Physical medicine and Rehabilitation(PM&R)で、
リハビリテーション専門医は、Physiatrtstと呼ばれました。
専門医制度はこの領域の対象となる運動機能障害をもつ患者のほとんどが自宅、職場地域社会への復帰、すなわちリハビリを必要とする人達でした。そのため物理医学専門医制度にリハビリの分野が加わり、1949年PM&R(物理医学とリハビリ専門医)となったそうです。

このとき活躍したのが、リハビリテーション医学の父とも言える、ハワード・A・ラスク教授でした。

1950年にニューヨーク大学メディカルセンターに物理医学とリハビリテーション研究所を設立しました。

その頃、ラスク教授が執筆した「リハビリテーション医学(Rehabilitation Medicine )」

が現在の医学的リハビリテーションの原点と言っても過言ではありません。

リハビリテーション医学の序文でラスク教授は「脊髄損傷の車椅子患者の上肢は健常者に比べてはるかに強い」と力強く語っています。

本文ではリハビリテーションチームの在り方を初めて記述し、リハビリテーションDR、PT、OT、看護師、メディカル・ソーシャルワーカーの役割とその方法を明記しています。

 

その当時から、障害の見方は確立されていましたが、

1980年にWHOが国際障害分類(ICIDH)を採択しました。

疾病から機能障害が発生し、能力障害、社会的不利が起こると、

各患者さんの障害像を明確にして、評価、治療を行うという方法がリハDRとPT、OTでは主流の方法でした。1980年代のPT、OTは実習先でも、ICIDHの方法で評価して障害像を捉えるように指導されました。

先進国で本格的に高齢化が問題になり始めた2001年WHOはICIDHの改定版として、

国際生活機能分類(ICF)を採択しました。

日本では介護保険導入と時期を同じくしています。

 

 

2 ICFについて文部科学省ホームページより

 

正式名称はInternational Classification of Functioning, disability and Health。日本語では「国際生活機能分類」と訳されている。人間の生活機能と障害に関する状況を記述することを目的とした分類であり、健康状態、心身機能、身体構造、活動と参加、環境因子、個人因子から構成される。心身機能、身体構造、活動と参加、環境因子には合計1,424の分類項目が示され、一方、健康状態、個人因子には提示された項目はない。下記にICFの概念図と各用語の定義を記した。

 

各要素の定義

 

心身機能 身体系の生理的機能(心理的機能を含む)

身体構造 器官、肢体とその構成部分などの、身体の解剖学的部分

活動   課題や行為の個人による遂行

参加   生活・人生場面への関わり

環境因子 人々が生活し,人生を送っている物的・社会的・態度的環境

個人因子 個人の人生や生活の特別な背景

ICFは、2001年にWHOで採択され、2002年に日本語公定訳が発行された。前身は、1976年「国際障害分類試案」,1980年「国際障害分類(略称ICIDH)」である。

ICFはWHOの国際分類ファミリー(Family of International Classifications、FIC)の一部として位置付く。WHO-FICには、ICFの他、「国際疾病分類(略称ICD-10)」、「医療行為の分類(略称ICHI)」等が含まれる。ICFの担当部局は、WHOも日本の厚生労働省(大臣官房 統計情報部 人口動態・保険統計課 疾病傷害死因分類調査室)も、ICFだけでなく、FICの全体を所管している。

「障害者基本計画(平成14年12月)」の中に、「3 障害の特性を踏まえた施策の展開」として、「WHO(世界保健機関)で採択されたICF(国際生活機能分類)については、障害の理解や適切な施策推進の観点からその活用方策を検討する」との記載がある。

ICIDHの図
ICFの図

としています。

医療から介護まで、この方法で患者さんの障害像を明確にすることで、大学病院から、介護保険のグループホームまで、同一の患者さんの障害像を共有できることが最大のメリットと言えます。障害像をコード化して、そのコードを見れば、大学病院のリハビリDRからグループホームのヘルパーさんまで現在の同一の障害像がわかるということです。

WHOが採択しているので、世界に通用するということです。

また、疾患に捉われず、脊髄損傷の新鮮例から慢性期の高齢障害者全ての疾患に使え、脊髄損傷の新鮮例から慢性期の高齢障害者に幅広く使えることも特徴の一つです。

また、家族ともそれを共有できるように作成されています。

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