高次脳機能障害について
利用者さんで一番苦労するのが高次脳機能障害だと思います。
高次脳機能障害には様々な記述があり、認知障害に重点を置いているもの、失行、失認を重視しているもの様々です。当ホームページでもウイキペディアとリンクし高次機能障害、失行を載せていますが、読んでいただいても皆さんの利用者さんを現実に評価できないと思います。どこからが認知障害でどこからが失行、失認なのか分からないので、実際のケアがあまりうまくいかないと思います。しかし、理屈はあまりよくわからなくても私の臨床経験から認知症であっても、失行、失認の場合でも以下の原則は有効です。
1 無意識の動作から意識化への動作に誘導に誘導する
努力をさせてあれをしろこれをしろと言わない。
2 病前の動作習慣に従う
病気になる前どのような立ち上がり方、歩行の仕方をしていたかなど、家族から聞く、
または本人がやりやすい方法で行ってもらう。この時もこの方法がいいよと指図しない。
3 動的訓練中心
座るための坐位訓練ではなく、立つための立位訓練ではなく、
動作を分断して訓練をするのではなく、
起き上がりから立位までを一連の動作として学習させることが大事。
4 できない動作は介助
どうしてもできないものは必要最低限の介助を行うとあります。
この方法は個人個人、個別に動作能力を評価しなくてはなりません。一人で40人も見なければならない現場では難しいかもしれません。しかし、最初は一人二人でもいいので、この方法を実践してみて効果を上げてみて、一人一人に時間をかけて介護することがいかに重要かをアピールすることが大事だと思います。まず、利用者、家族を味方につけ経営者を納得させる。試してみる価値は十分あります。